一生に一度の住まいづくりをして、いよいよ新生活スタートという幸せの絶頂にあるはずなのに、あなたや家族の健康が損なわれてしまったら……
考えるだけでもおそろしい、縁起でもないことですが、新しい家に引っ越してから次第に体調が悪くなってしまうというケースがあり、年々増えています。
今回は、なぜ新しい家で体調が悪くなってしまうことがあるのか、そんな住まいと病気の関係性、そんなことにならないためのポイントは何かということについてご紹介していきましょう。
多くの人が、新しい家に移り住んでから、以下のような症状に悩まされています。
頭痛 発熱 ほてり めまい 目のかゆみ 鼻炎 くしゃみ・鼻水・鼻づまり のどの痛み 咳・痰 吐き気、嘔吐 食欲不振 イライラする 指先の震え 動悸、息切れ 異常に汗をかく 血圧の変化 腹痛 下痢 アトピー 皮膚炎・湿疹・じんましん 疲れやすい 寒気 関節痛 集中できない 不安神経症 倦怠感 不眠 うつ症状 月経異常などバイオリズムの変調 花粉症…
身体全体におよんでいるこれらの症状のほとんどは、アトピーや鼻炎、花粉症などに代表されるアレルギー疾患によるものだと言われています。
自然の多い山梨は、年によっては、スギ花粉の飛散期間が他の県よりも長いことがあります。花粉症の悪化は、生活や仕事にもかかわる問題です。
アレルギー疾患の最大の原因は、化学物質に身体が過敏に反応していまう化学物質過敏症。これは、予備軍を併せると1,000万人を超える患者がいると言われています。
では、その化学物質が、建てたばかりの新しい家とどんな関係があるのでしょうか。
化学物質過敏症をはじめとするアレルギー疾患が起こってしまう原因は、以下のようなものが考えられます。
住宅や家具に使用されている木材や壁などには、有機溶剤や防腐剤・防虫剤・防蟻剤等が使用されています。防腐剤や防虫剤は、昆虫やシロアリなどから木材を守るために必要なものですが、それらから揮発性の有機化合物が発生することがあるのです。
また、現在の住宅は、冷暖房効率を向上させるために高気密化しています。窓や壁、天井等に隙間がなく、サッシなどによって屋内の気流が遮断されていますので、建材や家具から発生する揮発性の有害物質が屋内にこもることになり、身体に悪影響を与えてしまうのです。
こうした有害物質が原因によって起こる身体の不調は、シックハウス症候群と呼ばれています。
シックハウス症候群特有の症例は、1980年代から報告されていましたが、長い間、原因不明とされてきましたが、2003年には建築基準法が改正されて、今では原因物質の使用は規制されています。
揮発性有機化合物は、春から夏などの気温が高くなるにつれて発散量が増加します。ですから、暑くなるにつれて花粉症やアレルギーの症状がひどくなってきたら、シックハウス症候群を疑ってもいいかもしれません。
ただし、シックハウス症候群は、建材等の有害物質だけに原因があるわけではありません。日常的に使用している生活用品、換気扇や排水溝等、様々な要因が重なって起こることがありますので、屋内に有害物質が蓄積しないようにしっかり換気をし、有害物質を排気することが大切になのです。
また、そうした化学物質以外にも、ダニ、カビ、微生物による空気汚染も、身体の不調を引き起こす原因となりえます。部屋の空気が臭いと感じたら、それはカビの胞子が飛び散っているからかもしれません。虫に刺されたような痕ができたら、布団や畳、じゅうたん、ソファなどにダニが発生していることを疑ってみましょう。エアコンや布団などの掃除が十分でなく、換気がよくないと、そういった害虫が発生することがあるのです。
厚生労働省では、次のような有機化合物の濃度指針値を発表し、これらが原因と疑われる場合は医師に相談することが望ましいと説明しています。
この中でも、特にホルムアルデヒドやクロルピリホス等は、その有毒性の高さから現在では建築基準法によって規制がかけられていますが、等級を明示すれば使用できないことはありません。
ホルムアルデヒドは樹脂の原料として使用され、合板のフローリング剤として、接着剤や塗料、繊維の加工などに利用されていることがあります。住宅では、フローリングや家具類などの木質系のもの、ビニールクロスを貼る接着剤、カーテンなどに含まれている可能性がありますので、原料には注意が必要です。
クロルピリホスは農薬やアリの駆除として幅広く利用されてきましたが、現在ではクロルピリホスを建材に使用することは建築基準法で禁止されています。
こんなおそろしいシックハウス症候群によって、家族が病気になってしまうようなことを避けるには、どうすればいいのでしょうか。ポイントを押さえておきましょう。
アトピー体質や喘息など、もともとアレルギー体質の方は特に、家づくりにおける建材選びに注意を払いましょう。上にあげたような物質を使った建材を使わないようにすることで、シックハウス症候群の発症リスクを低くすることができます。
たとえば、合板フローリングなどの合板にはどうしても接着剤が用いられるため、一枚板の無垢材を使用するといった工夫をすれば、使用する化学物質の量を抑えられるのです。また、なるべく天然の素材を使用することによっても、シックハウス症候群を防止できます。
昔の住宅では、木材は天然、壁は珪藻土や漆喰と自然素材のみが使用されていました。こうした無垢材等の天然素材の使用によって、アレルギー疾患の発症は抑えられるでしょう。
ベイクアウトという方法もあります。
ベイクアウトは、化学物質の温度に応じた揮発性を利用して、人工的に部屋の温度を30~35度に調整し、化学物質を揮発させて換気を繰り返すというものです。新築時の家の引渡し前に行うのが一般的で、家具の引き出しやタンスのドアをすべて開け、100時間ほどかけて行います。
そして、何よりの大切な対策は、まめな窓開けと換気です。有毒ガスを室内に対流させないように換気をまめに行いましょう。新しい家に入居する前には、ベイクアウトを行うか、できるだけ換気をしておくこと。また、入居後も、ホルムアルデヒドの濃度が下がるまでは積極的に窓開け、換気を行うことが大切です。
換気や結露、カビやダニ等を防止してくれる24時間換気システムの導入なども、重要な対策になるでしょう。
山梨は自然が多く、空気も本当にきれいです。これは、日頃は意識していなくても、出張で東京などに行くとすぐに実感します。山梨県でよかったな、と思う瞬間です。
そのため、アトピー性皮膚炎などだけに限らず、シックハウスなど、健康上の不安が多い人の中には、わざわざ都会から山梨県内に引っ越して来られる人も多いのです。老舗工務店だからと、そういう土地柄の相談などを受けることもしばしばあります。
まず、お断りしておきたいのは、私たちはあくまでも工務店ですから、健康上のアドバイスはできないということです。ただ、老舗工務店として、木材の特徴を生かし、日本建築の良さをフルに発揮した住宅を建てることはできます。
それに、私たちは、なんでも「できますよ」と安易に言うことはしたくありません。家を建ててほしいと思うあまり、お客様を裏切って、「山梨は空気がきれいですから、安心してください。早くお家を建てましょうよ」というような、乱暴なことはしたくないのです。
その上で、私たち、工務店に出来ることは、たとえば、川の近くにお家を建てるときは、こういう間取りにして、こちらで家族が涼しく過ごせるようにしましょう、とか、こちら向きの風が吹く季節のことを考えて、窓の大きさはこれくらいにしましょう、というようなアドバイスです。
これを読まれるお客様が家を建てようと思うとき、そんな当たり前の工務店をパートナーに選ばれることをお祈りします。
山梨県内でトップクラスの年間施工実績をもつ私た匠平家は、住まいの専門家として、お客様が幸せに暮らせる住宅を必ずご提供してまいります。